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其之弐−「『種痘必順辨』か『必須辨』か」
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はじめに > その混乱の状況 > 現存する『種痘必順辨』を調べる

3.現存する『種痘必順辨』を調べる

 調べ得た『種痘必順辨』は、次に挙げる5冊である。

  1. 秋月本(秋月郷土館蔵)
  2. 富士川游本 その1(京都大学医学部図書館蔵)
    旧富士川游氏蔵本で大正7年に京都大学医学部図書館に寄贈されたもの。「呉氏蔵書之印」が記されているので、富士川游氏の前の持主は呉秀三氏と考えられ、善那氏種痘発明百年紀年会の資料展に出品されたものはこの本であろう。
    写真は平野運本
  3. 富士川游本 その2(京都大学医学部図書館蔵)
    旧富士川游氏蔵本で昭和15年に京都大学医学部図書館に寄贈されたもの。
  4. 平野運本(久留米市善導寺町平野運氏蔵)
  5. 藤野恒三郎本(内藤記念くすり博物館蔵)
    藤野恒三郎氏蔵本で、現在、内藤記念くすり博物館に寄託されている。

この5冊について次の事項を調べた。

  1. 筆写本か版本か。
  2. 表紙の題名
  3. 本文の頭にある巻首の題名
  4. 本文の最後にある巻末の題名

写真は平野運本(久平野運氏蔵)
写真をクリックすれば拡大画像

その調査結果は表1の通りである。

  表1
  版本か写本か
表紙
巻首
巻末
秋月本 筆写本
富士川游本その1 造化堂版
富士川游本その2 筆写本 必須辨
平野運本
筆写本 欠落のため不明
藤野恒三郎本 筆写本
なし

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